series
ふた穂
─ Futaho ─
~ビンテージの世界~
お米の旨みを最大限
引き出すために
「ふた穂」は、雄町米発祥の地の誇りを持って育てられた岡山高島地区の雄町米を100%使用し、その特長を最大限に引き出しながら丁寧に醸しあげた純米酒です。深い味わいと余韻をお楽しみいただくために一定期間の低温瓶内熟成の後に出荷いたします。 醸造年度による微妙な味わいの違いや低温熟成による味わいの変化をお楽しみいただくため、醸造年度毎に蔵出しする「ビンテージ純米酒」。「ふた穂」の世界をゆっくりとお楽しみください。
~酒造好適米 雄町~
雄町米発祥の物語
酒米「雄町」の物語は2本の穂からはじまりました。1859年農家「岸本甚造」氏が発見した”変わり穂”から、選抜を続け、生まれた新種に「二本草」と名づけられました。これが非常に良い酒米であるという噂が広まり、あちこちで栽培されるようになり、いつしか地名の「雄町米」と呼ばれるようになりました。 長龍酒造の「ふた穂」はこのお話からついた銘柄です。以来、交配による品種改良が一度も行われていない原生種。現存する最古の酒米「雄町」。
農家・杜氏泣かせの米
雄町米は、背丈が高く(約160cm程度)、一粒一粒が大きいため、地面すれすれに垂れ下がり、病害虫にも弱いため栽培が難しく入手しづらいことから「幻の酒米」と呼ばれています。そのため、天候の影響を受けやすく、生産を見極める農家の豊富な経験と技術の賜物です。また、雄町は心白が大きく、柔らかいのが特徴で、軟質米ならではの米の溶けやすさから扱いが難しく、杜氏が逃げ出すと言われるほど、酒造りが難しいと言われております。
雄町米の故郷
~岡山県高島地区~
広大な平野。瀬戸内気候。晴れの国と言われる岡山は、日照時間・水量豊富な河川が流れているなどの条件が整った日本有数の米どころです。「ふた穂」に使用している「雄町米」はそんな米どころ岡山市の東部にある高島地区で作られています。 見渡す限りの水田。水路に泳ぐ川魚。岡山三大河川のひとつで、豊富な水量を誇る旭川から水が引かれた高島地区の田では(上流に位置するため)豊富な清水をふんだんに使って米を育てることができ、低温で、真夏でも稲の温度を下げ、成育には非常に良い条件です。
【雄町米の知られざる秘密】
雄町米が育つ水は
名水百選
高島地区水田地帯のすぐ近くには、旭川の伏流水(山地への降水や河川、湖の水が水源となった地下水のこと)で、名水百選に選ばれた「雄町の冷泉」が湧き出ています。口に含むと、まろみがあり、喉ごしも非常にさわやかです。この名水こそが雄町米たる所以といえるでしょう。
自然の風味を損なわない
乾燥施設
高島ライスセンターは、火力を使用しない常温定湿乾燥方式の施設です。空気を加湿せず、空気中の水分を除去して一定温度の乾いた空気を送って、目的の水分まで自然乾燥させるシステムです。自然の風味を損なわない、雄町米本来の味を引き出すことができます。
~酒造りへのこだわり~
酒造り 〜個性を引き出す酒造り〜
「雄町米」はふくらみのある柔らかな味わいを出すことができます。希少な酒米であるためか、「大吟醸酒」で醸されることが多いのですが、長龍酒造では雄町特有のふくらみのある味わいをより引き出すために、あえて酒米を磨きすぎず、精米歩合を68%の純米酒で丁寧に醸しあげております。
瓶熟 ~低温瓶内熟成酒~
お酒は搾られた後も変化しつづけます。急激な温度変化や紫外線などは、とても悪影響を与えますが、温度管理された貯蔵庫でのゆるやかな熟成は、お酒に奥深さや幅を広げます。特に瓶内熟成においては、空気に接する面積が少なく、熟成の旨みを逃す事なく瓶内に封じこめることができ、微妙な熟成をコントロールすることもできます。長龍酒造では、年間を通して熟成の最適温度である約10度で貯蔵。低温瓶内熟成により、旨味のある味わいに、そして深い余韻を最大限引き出すことを追求しています。
醸造年度による味わいを楽しめる
「ふた穂 ビンテージセット」
酒米の成分は、気候や作り方によって毎年異なります。それに合わせての酒造りも毎年同じではありません。醸造年によって、微妙な違いがあり、また、そこに"熟成の妙"が加わることで、その年々の味わいに違いが 現われてまいります。そんな醸造年度毎の違いが楽しめ、日本酒の新たな裾野を広げてくれるギフトセットです。常温もしくは燗酒にしてお楽しみください。